スパーカブC90デラックス(三代目iichan1号) 2015.07

やってしまった。これぞ「男の無駄遣い」史上最大の無駄遣いだ。

初代が事故にあい、二代目を買ったのが昨年9月。
終生のカブとなるはずだった。しかし、それからわずか9ヶ月。三代目がやってきた。

また事故にあった訳ではない。故障したわけでもない。もちろんもう一台欲しくなった訳でもない。
それではなぜだ。
話せば長いが、お話しよう。

二代目は、初めから問題が多かった。
というか、走る分には全く問題ないのだが、僕には気になって仕方がない点が多かった。

まず、エンジン始動のためキックすると、「ぐに~」と滑る。走行中は滑っている感じがなく、まったく問題はないが、出勤に使うので、朝一から気分が悪い。
これは、クラッチ板を交換することで解決した。

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次に、キャブレターが妙に湿っていて汚かったので、バイク屋の兄ちゃんに聞くと、ガソリンが微妙に滲んでいて、オーバーホールしても直る保障はないとのことだった。

しかしこれも、オーバーホールをして、パッキン類も全交換し解決した。

そして最後、決定的な問題は「エンジン音」である。
前出の二つの問題は、解決できたが、これだけは如何ともし難い。

エンジンに欠陥があるわけではない。加速はすごく良いし、スピードも出る。しかし、僕がカブに求めている「カブらしい音」がしないのである。これが無いと、僕からすれば、カブと言えないのだ。

のどかな田舎道を超低速で走っているときの、何とも言えない心地よい音。
40~50km/hで流しているときの、スムーズな鼓動。
カブに乗るのが楽しくて仕方なかった。走っているときのエンジン音を聴くのが快感ですらあった。
なのに、二代目にはその「音」が無い。

そしてついにある日、「その音がないカブに乗る意味がない」と思ってしまったのである。

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僕の場合、こうなってしまったらもうダメだ。
「嫌気が差した」というやつだ。

早速「三代目」を探しにかかった。
しかし、ネット上の写真だけではエンジン音まで判断できない。
ある日オークションにきれいなカブが出品されていた。
ワンオーナーで、大事に乗っていたとのことだった。
動画もあって、エンジン音も聴けた。きれいな音だった。 このカブに賭けることにした。
きれいなだけあって、値段もそれなりだったが仕方がない。
僕以外にもう一人入札があって、スタートより1万円高で何とか落札した。

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スーパーカブと言えば「青」のイメージがあって、初代も二代目も青だったが、三代目は緑である。厳密には
「タスマニアグリーンメタリック」という色だ。
まあ、山道を走っていても、山の緑に溶け込めるし、二台続けて青に乗ったので、緑も良しとしよう。

さて、落札したはいいが、引き取りらねばならない。陸送すると1.5~2万円かかるため、自走して持って帰る事にした。約150kmの旅だ。
しかし、距離的には乗って帰る自信はあるが、走行距離や年式等のある程度の情報は分っているものの、オイルの状態やチェーンその他の整備の状態を把握することが困難なため、その状態で150kmを走行するのは大変不安だ。
しかし仕方がない。よっぽどなら現地で整備だ。

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馴染みのバイク屋の兄ちゃんには落札したことを話していたので、決行の二日ほど前に寄って、「行ってくるわ。帰ってきたら整備たのむで。」と言うような雑談をした。
すると兄ちゃんは、「う~ん。心配ですね~。状態を把握できていないカブで150km走るのは無謀だし、それが原因で何かあったら後悔しますよ。早朝でよかったら行きますよ。」とおっしゃった。
「え?」耳を疑った。このカブを引き取りにいく義理は兄ちゃんには当然無い。整備したところで大した儲けにもならないはずだ。なぜに、なぜに兄ちゃんは行ってくれるとおっしゃっているのか。
前回同様わからないまま、自分に負けた僕は、兄ちゃんのお言葉に甘えてしまった。
早朝4時半に出発し、カブを軽トラに積み、とんぼ返りで9時に兄ちゃんの店に戻ってきた。
その場でオイル交換後、試運転。
排ガス規制後のカブであるため、初代とは違うが、静かでスムーズなカブの音がした。
兄ちゃんに整備をお願いし、翌日には三代目が自宅にやってきた。取りに行くと言ったのに、兄ちゃんはわざわざ軽トラで持ってきてくれた。

ありがとう。あなたはやっぱり神様です。感謝してもしきれません。整備代もオイル交換代だけでいいと言われたが、さすがに少し多めに受け取っていただいた(それも兄ちゃんは拒否されていたのだが無理やり)。

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さて、三代目だが、スーパーカブC90デラックス(タスマニアグリーンメタリック)、2002年式で、走行距離は
12600kmだ。
初代が1993年式、二代目が2001年式だから、だんだん年式が若くなっている。

二代目と三代目は1年しか違わず、大差ないように思うが、2002年式はスーパーカブ90の最終モデルの最初の年式で、スーパーカブ90はこの仕様のまま惜しまれつつ姿を消し、2008年スーパーカブ110へと変更されるのだ。

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上が三代目で、その下が二代目の写真だが、まず
シートが違う。そしてシート下とサイドカバーのエンブレムも違う。 よく言えば洗練された、悪く言えば「ケチった」である。
僕は二代目のデザインの方が好きだ。二代目のデザインにはホンダの熱意、 スーパーカブに対する熱い思いを感じる。最終モデルの方には、それを感じない。
更に、レッグシールドに燦然と輝いていたホンダのエンブレムも最終型では無くなっている。

ホンダよ。どうしたんだ。そんなに簡単にスーパーカブを終わらせていいのか。今のスーパーカブ50、110はもはやスーパーカブではない。遺伝子を継承しているのは、リトルカブのみである。
本田宗一郎が生きていたら、何て言うだろうか。

初代は素晴らしかった。素晴らし過ぎた。
何もかも僕と愛想がピッタリで、どんな所へ走りに行くにも一切不安はなかった。そして3万キロ以上苦楽を共にした。
決してきれいな訳ではなく、完璧でもなかった。しかしなぜか安心して乗れた。
今になって気付いたが、僕はスーパーカブに惚れていたのではなく、「初代iichan1号」に惚れていたのかもしれない。
まあ、そのうち三代目も馴染んでくると思うが、はたして初代を忘れさせてくれるのかどうか。

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二代目を買う決心をしたとき、初代はバラしてオークションで売るつもりだった。
しかし、どうしてもあの乗り味が忘れられない。浮気をせずに修理をしておくべきだったと今では後悔している。

そんなわけで、今密かに「初代復活計画」を考えている。
簡単ではないし、時間もかかるだろうが、何とか実現させたい。
決行となれば、HPで経過をご報告いたします。
お楽しみに!

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男の無駄遣い